長野県大町市サマーフェスタゲスト出演の        
三宅島神着木遣太鼓取材記 (’03.08.31)    

 


 


全島民避難中の三宅島.
三宅の打ち手達は,
この太鼓を持って避難船に乗って来たんだろうな.
太鼓に対する思いが心にしみて来た

 太鼓の”耳”を見ると,その太鼓がどう使われているか分かると言う.太鼓の”耳”とは,皮を鋲で胴に固定した更に胴の内側.太鼓の製造過程で皮を引っ張るときに縄をかける部分のこと.最近は,耳を残しておくのが一般的になった.太鼓自体を音楽として楽しむため,週に1回から2回練習で叩かれる.毎日叩かれる場合もある.だから皮が緩むのが早く,皮を張り直すときに都合いいように耳を切らずに残しておくのだ.しかし,以前は,左の三宅の太鼓のように耳のをまっすぐに切り落とすのが普通だった.太鼓という楽器は,年に一度のお祭りで大切に大切に叩かれてきた.だから,皮はなかなかゆるまない.皮自体の寿命が来るまで大切に使われる.耳のない三宅の太鼓を見て,お祭り太鼓の堂々たる歴史を感じた.


 大町市森林劇場.黒部ダム観光の入り口,黒部温泉郷の中にある,緑豊かな屋外コンサート場.そこのサマーフェスティバル(40歳以上のバンドの音楽祭)のゲストに,あの,三宅神着木遣り太鼓が来られたので取材させて頂いた.画像は森林劇場全景.聴衆は,バンド関係者が多数.聞いていたら,和太鼓っていいね〜.サウンドがど〜とか,ビートがこ〜とかなんだよね..という様な,ハイソな感想を述べておられました.




 私たち,ステージ様に脚色された鼓童の三宅を先に聞いている.多くのグループも鼓童を見て,脚色された三宅を打っている.そのイメージを持ってこの太鼓を見たのだけど,一発目から衝撃を受けた.脚色された派手な腕の動きはない.太鼓を打ち込む,ただその一点の為に体が使われている.だから,一発一発の打撃に力があり,見る者の気持ちに迫ってくる.脚色されたリズムもない.ツクドン,ツクドン,という基本のリズムが続く.男の打ち手も女の打ち手も,太鼓より低く構え,ひたすら鼓面に垂直にバチを当てて打ち込んでいく.ホンモノの迫力があった.終演後バチを見せて頂いた.長さは50cm.材料は不明だけど,非常に軽いテーパーの無いバチを使われていた.残波という焼き印が押してあったけど,見なかったことにしておこう.


 


おなじみ,地元流鏑馬太鼓の皆様.登別方面の太鼓がルーツと聞いたケド,どこにも似ていない,独特の所作が好きだなあ.それから,今時硬派な女人禁制を守り続けておられ,元気なお兄さん達が揃っているのも◎だなあ.画像をクリックしないで下さい!!. 暫くすると大きな画像でお兄さん達が表示されるかも知れません.


   

Copyright (C) 2003[和太鼓 鳴桜(なを)]  All rights reserved. 更新日 : 2003/09/04