VIPな気分で 野沢温泉道祖神火祭 (2005.01.15) |
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お祭りの発生 . たとえば,諏訪の御柱まつり ご神木を神社まで運搬する必要があって,お祭りが生まれた. . . しかし, 全く,必然がないお祭りもある たとえば,旧串原村の太鼓まつり 山の上の神社の小さな境内で 押しくらまんじゅうをしながら一日中太鼓を叩く. . たとえば,大網の火まつり 厳冬の夜,下帯一枚で原野を奇声を上げて走り回る ・ ・ ・ なぜ人は, 必然性もなく,一銭の徳にもならない行為に夢中になるのだろうか.
野沢温泉 道祖神火祭りが行われる広場
地区の役員さんが道祖神と一緒に, 今夜のまつりの無事を祈る記念撮影に遭遇した. 道祖神様に社殿を見せるという意味があるんだそうだ.
・ ・ ・ 会場入り口にも,巨大な道祖神が置かれていた. たらいの中の道祖神は, 各家庭にある道祖神を持ってきて, 気に入った道祖神と交換して持ち帰るのだそうだ.
純白の衣装が荘厳な気持ちをかき立てる. 太鼓の形が,あまり見たことがないと思ったら, 浅草雷門の老舗岡田屋布施のもの.
♪目出度く建てた 命あるなら来年も 道祖神唄を取り入れて
まさに,道祖神火祭りの為の太鼓. どこにも似ず地域に生きる.すがすがしかった. ・ ・ ・ 野沢温泉,道祖神火祭りのシステム. ・
雑木で作られた社殿に放火されない様に守るチーム(上画像,太鼓の奥) ・ ・ その守りを突破して,社殿に放火しようとするチーム.
そして,その放火チームに 焚き付け(たいまつ)となる茅(かや)の様なものを 二階から投げおろすチーム(上画像,赤い衣装).
2階のチーム以外の男達,広場に集合した時点から PETボトルに入れた日本酒をガブのみして, 足下が相当フラついている.
社殿を守る年男達が, 酒持ってこい!!
と叫ぶ.
火付けチームが,
と叫ぶ. そうすると,2階からたいまつの材料が降ってくる. それを奪い取った放火チームの男達が, 着火して正面から突進する.
社殿を守る年男は,手に持った松の枝でたいまつをたたき落とす. たたき落とされた放火チームは,また,
と,新しいたいまつを催促する. ・ ・ 祭が進むと
酔いも手伝って,
罵声に変わる.
おらぁ〜早く落とせ〜!.
何やってんだよぉ〜!ボケ!
そして,
徒党を組んで,社殿に突っ込む.
年男達も手荒になり,手で殴ったり,足で蹴飛ばして防戦する
あちこちで,たいまつで殴り合いが始まる
いっくぞ〜.
本当のケンカだ.
火の粉が雪のように舞い散り,,,,
周囲に,衣類の燃える臭いが充満する.
男達の,顔も衣装も,炭で真っ黒になる.
最前列の観光客に火の粉が飛んだ.
怪我とやけどは自分持ちだよ!!.
日本酒を持った役の人が,男達にどんどん酒を飲ませる. ・ もう,立てない位に酔っぱらった男もいる. ・ 荒っぽいお祭りがあったもんだ. ・ ・ 一時間も続けると,たいまつが終わる
そこで手打ちになり.
笠をかぶった氏子惣代により社殿に火が着けられる.
火を着けようとする行為と,それを阻止する行為. それぞれに一体どんな意味があるのだろうか? どうせ,最後は燃やすのなら, 何も厄年男が火着けを阻止する必要はないし. ケンカをしてまで守り通したのなら,何もすぐに燃やすことはない. こんな,脈絡のない無駄な行為に 人はなぜ夢中になるのだろう?. ・ ・
そもそもこんな必然性のないお祭りを, 最初に”やろう”と言い出した人は誰で,乗った人たちは誰なのだろう? お祭りの発生 私が,探し求めるテーマである.
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ところで, 野沢温泉に向かう高速道路. 松本インターから長野インターまで,パトカーに先導して貰った. 当然追い越す車は一台も無し. 私の後ろには,数十台の車.
超VIPになった気分だった.
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Copyright (C) 2004[和太鼓 鳴桜(なを)] All rights reserved. 更新日 : 2005/01/29 |